何でも挑戦!地元と仲間を大切に。 何でも挑戦!地元と仲間を大切に。 何でも挑戦!地元と仲間を大切に。

何でも挑戦!
地元と仲間を大切に。

フタバ食品株式会社は、1945年に栃木食糧品工業有限会社として設立されました。1951年には県内唯一の許可工場として、本格的アイスクリームの生産を開始。その後1963年に、社名を「フタバ食品株式会社」に変更し、現在はアイスだけでなく、マロングラッセや中華まんなど商品の幅を拡大しています。また、地産地消を意識した様々な食品開発にも取り組んでいるほか、海外への輸出も行っており、日本だけでなく世界中から愛されている食品の生産を手がけている会社です。今回は、企画部の三上菜穂さんと、総務部部長の中島昭さんにお話を伺ってきました。

日常が仕事に直結。

落ち着いた雰囲気をまといつつ、一つ一つの質問に丁寧に答えてくださった三上菜穂さんは、埼玉県のご出身で、宇都宮大学農学部の卒業生です。大学卒業後はフタバ食品株式会社に就職し、現在、企画部の一員として活躍されています。まずは三上さんの普段のお仕事についてのお話を聞きました。

三上さんの主な仕事内容は、新商品の企画開発。企画開発と聞くと楽しそうなイメージを持っていましたが、お話を進めるうちに段々といろいろなことがわかってきました。

「一つはアイスの商品開発を行っています。まずは市場でこういうものが流行っているから、こういうアイスを作ろうという商品の企画提案をします。それから味を作る研究開発部という部署に、こういった商品を作りたいので試作をお願いしますと依頼をします。そしてそこの方と一緒に試作品を食べながら商品化に向けて打ち合わせを進めていくというものです。立案してから発売までは8ヶ月前後かかりますね。あともう一つは広告宣伝で、主にネット宣伝。TwitterやInstagram、FacebookなどのSNSを更新しています。お客様が書いてくださったコメントには全部お返事を返そうという精神でやっています。」と、三上さん。

表情がパッと明るくなったり、ときには真剣な表情をしたりと、楽しく仕事をしている様に感じました。また、社内でのプレゼンもあるということで、企画から開発の間に、企画する人、味づくりをする人、販売する人と、たくさんの人が関わっていることがわかりました。さらに提案をする時、何でもいったん否定せず話を聞いてくれるという文化があるとも話してくださり、社内が話しやすい雰囲気になっていると感じました。情報収集の方法はSNSだけではありません。実際にカフェに行き、気になったメニューを食べてみて、「これがコンビニとかで手軽に買えるようになったら楽しいだろうな、商品開発に出してみようかな。」と思うこともあるそうです。ただ楽しい仕事というわけではなく、成功の裏には何度もの失敗や苦しい時期があり、でもそれを吹き飛ばしてくるくらいのやりがいを感じられるようなお仕事だとわかりました。

働きやすい制度と環境。

続いてお二人に、フタバ食品の社内の雰囲気や働き方について尋ねました。まずは公式ホームページに載っていた、仕事と家庭の両立支援の推進について。「育児・介護休業や短時間勤務等の理解と促進を図ります」とありますが、実際にどうなっているのか、気になったので中島さんに聞いてみました。

「産休・育休については、法律で定められている当たり前のことをやっているだけなんですが、申請があったら全部休んでもらっています。産前・産後休暇の連絡が来たら、そのあとの育児休業をこうやってとることができますよという案内をします。」

中島さんに「ちょうど今宇大の卒業生が一人とっていますよ、ね?」と投げかけられ、「そうですね、今は時短勤務の方も結構いますよね。」と、三上さん。お休みが取りやすく、実際に取っている人が多いと聞き、素敵な制度だと思いましたが、気になったのは他の人への負担。それについても聞いてみたところ、「いなくなる前にみんなで分担して仕事内容を引き継いで、問題ないように協力してやっています。」という回答。また、「それはお互い様。自分がそうなったときには助けてもらおうって感じです。企画部は女性が多いこともあって、私の部署はすごく理解がありますね。」と三上さんが話されるように、休みを取りやすいスタッフ間の空気もあるということで、女性にとってはありがたいことですね。

次に、キャリアアップや能力開発を目的とした資格取得支援についても聞いてみました。

「うちの会社はかなり昔から、多分、創業時から技術手当というものを付けています。業務に必要で、会社が認定している国家試験に受かったら、たいした金額ではありませんが付けましょうというものです。一番多くて一万円かな。今はその他に、それ以外の資格を取った人には報奨金を出そうということにしています。業務に関係するものであれば、民間の団体の資格でも良いし、国家資格でも良いし、検定試験でも良い。自分で探して合格したら、そのレベルに応じて報奨金を出しますよという制度は設けています。」と、中島さん。こういった制度は、報酬目的ではなく、資格を取ろうというきっかけになるそうで、年間を通して10人近くは申請があるそうで、少しでも仕事に関わることであれば全部申請を通していると話してくださいました。具体的にどんなものがあるのか聞いてみたところ、三上さんは危険物取扱者とカラーコーディネーター、中島さんは調理師の免許を持っているとのことで、調理師免許は高校の時に友人が取得していたという記憶もあり、意外と身近な試験でも報酬が発生するのだと驚きました。英検やTOEICも含まれます。

「海外展開」+「地産地消」・・・?

次は私が気になっていた、フタバ食品さんの海外展開について。地産地消をしつつ、どのように進めているのかを聞いてみました。

「輸出関係を担当しているスタッフは三人で、そのうちの二人は女性、二人は宇大卒の留学生です。主に東南アジアが主で、今はタイが一番多いのかな。向こうのコンビニやレストランで商品を出させてもらっていますね。その三人は海外出張が多くて、二ヶ月に1回、1週間くらいの期間で行っています。商品に関することといえば、海外では、宗教の関係で使えない材料があったり、日本で認められているけれど海外では認められていない添加物や食品があったりして、そういうものの代わりになる材料を考えたり探したりする仕事も、その三人が担当しています。」

輸出担当の三名はある程度会話ができるレベルから、ペラペラ話せる人まで、人それぞれだそうです。

またフタバ食品では、栃木県産のかんぴょうを使用したお饅頭や、那須烏山市でしか生産されていない中山かぼちゃを使用したアイスクリームなど、地産地消にも取り組んでいますが、ご存じでしたか? こちらについても聞いてみました。

「栃木県産の食材を使いたいということで、レモン牛乳のアイスや茂木町産のゆずを使用したアイス、とちおとめの中華まんも作っています。つい最近は、喜連川温泉を利用して栽培した喜連川温泉なすを使用した、麻婆茄子をイメージした中華まんも作りました。」

栃木県産物を使用してほしいという依頼が来ることも。試作品ができたらみんなで食べたり、企画の段階で家庭に持ち帰って食べてもらい、ヒアリングやアンケートを行ったりするそうです。販売前の試作品の味見ができるって、想像しただけですごく心が躍りませんか?

上左|とちおとめの中華まん 上右|レモン牛乳アイス 下左|温泉なすの麻婆まん 下右|中山かぼちゃアイス(写真提供:フタバ食品株式会社)

やっぱり栃木は住みよい街。そして広がる私の世界。

最後に、どうしてお二人はフタバ食品さんを志望したのかについて聞いてみました。まず三上さんは「食関連の仕事に就きたいと考えていたときに、ここはアイスだったり中華まんだったり、いろんなジャンルに携われて面白そうだなと思ったのがきっかけ。あとは大学生の頃から一人暮らしをしていて栃木がすごく住みやすくて、ここならずっと暮らしていけるなと感じたというのもありますね。埼玉出身ですが、栃木の方が人あたりと交通量がゆったりしていて住みやすいと感じました。」ということで、仕事への魅力と一人暮らしをしてみて実感した住みやすさから、フタバ食品さんを選んだそうです。

中島さんは「うちはずっと転勤族で、兄弟四人みんな産まれたところが違うんです。私は大学を卒業してからふらふらしていたんですが、ヒッピーってご存じですか? ヒッピー文化に憧れて、放浪の果てにイギリスで暮らしていたんですが、身内に不幸が重なり、日本に戻って仕事をしなければという気持ちが強まり、親の拠点ができていた栃木で何社か受けたうちの一社が、フタバ食品でした。通勤にも良いし、何をするにも便利だから宇都宮に住むことにしましたね」と、ヒッピーという聞き慣れない単語を使ったり、笑いを交えたりしながら話してくださいました。

先輩たちから、私たちへ。

最後にお二人から、大学生へのメッセージをいただきました!

三上さん「社会人になるとまとまったお休みを取れることが少なくなりますね。大学生のうちはそういう機会がいっぱいあると思うので、その機会にしかできないことを今のうちにやってもらいたいですね。海外に行っていろんな文化を見たりとか、長期的なボランティアに参加してみたりとか。長期だからこそできることを今のうちにいっぱいやっておいた方が良いかなって思います。あとは自分の専門以外、他学部の授業をとるのも良いかな。仕事をしていて、予備知識というか、何かあったときに役に立つものもあると思うので。もしちょっとでも興味があったら他学部の授業を受けてみるのも良いと、卒業してから思いました。」

中島さん「就職するというのは、会社に勤めたり公務員になったりすることが就職ではないと思っているんですね。いろんな仕事がたくさんありますね。私たちの時代は教師の子供は教師、公務員の子供は公務員になるのが当たり前でした。でも今はそういう時代じゃないですもんね。誰がどんな仕事に就いてもそれは認められる時代ですから。単にサラリーマンになるだけじゃなくて、いろんな世界を見てみる必要があるのかなっておもいますね。例えば、テレビで林業に就いている女性って取り上げられているでしょう。それだけ一般的じゃないってことですよね。そういったことにどんどん挑戦していくっていうのが楽しいんじゃないかなって思いますね。」

お二人とも、自分が挑戦したいと思ったものには挑戦してみるのが良いと話してくださいました。たくさん時間がある大学生のうちにしかできないこと、興味を持ったこと、何かやりたいと思ったらやってみることが大切なのですね。私もやりたいことはたくさんありますが、いざとなると諦めてしまうことが多いです。しかし今回の取材で、今しかできないことをやったら良いよと後押ししてくれる言葉をかけていただいたので、その言葉を胸に、残りの大学生活を有意義な時間にしていきたいです!

タイトル写真|試作品(オレンジ果汁をメインにしたアイスバー)を試食しながらミーティング(写真提供:フタバ食品株式会社)

インタビュー・執筆
佐藤愛純|地域デザイン科学部コミュニティデザイン学科2年

取材を通して、一番感じたのはとても雰囲気の良い会社だということです。三上さんと中島さんは仕事ではほとんど関わることがないと話していたのですが、普段から一緒に仕事をしているかのようなやりとりを見て、また、給湯室で社長と話すこともあるという三上さんのお話から、働きやすい環境ができているのだと思いました。しかも、それはルールなどがあるわけではなく、自然とできていたというから驚き。地産地消については、栃木県産物を使用した商品も絶対美味しいだろうなというものばかりで、中華まんを販売している道の駅にぜひ食べに行きたいです。また、仕事に関わる資格なら勉強してみようというきっかけが自分自身のスキルアップに繋がり、それが会社全体に活かされているのだと感じました。

  • とちぎに根付いたグンマーからみた栃木のエスニックな魅力