経験はすべて成長につなげる! 国際学部から市職員へ 経験はすべて成長につなげる! 国際学部から市職員へ 経験はすべて成長につなげる! 国際学部から市職員へ

経験はすべて成長につなげる!
国際学部から市職員へ

宇都宮大学国際学部国際社会学科を卒業された坪井知子さん。坪井さんは現在、宇都宮市農業企画課所属で働いています。国際学部を選んだ理由や、そこから公務員を志望した理由、そして今の仕事のお話などを伺いました。

「農業王国うつのみや」の魅力を伝えたい!

私は今、農業企画課に配属されていて、農業を始める人への支援や、農業の収益性を向上させるための戦略や施策の企画立案を担当しています。担い手不足や高齢化に悩む農業界ですが、若者に「農業をやってみたい!挑戦してみたい!」と思ってもらえるよう、宇都宮の農業を盛り上げていきたいと思って日々奮闘しています。

と言いながらも、実は最初から今の課に所属していたわけではありません。実は、農業企画課は4か所目。最初の配属は教育委員会教育企画課というところでした。市役所に入庁して教育委員会で働くことになるなんて、私自身も想像していなかったのですが、公務員の仕事をよく分かっていないと、びっくりしちゃいますよね。その3年後、健康増進課に配属になって、保健所が職場になりました。ここが、健康づくりをお手伝いする仕事を通じて市民の皆さんと接する機会が一番多かった職場ですね。そして財政課。財政課では、市の予算を作ることや、ふるさと納税など財源確保の方法を考えたりすることが主な仕事でした。幅広い分野の仕事に携われるのが、市役所の仕事の魅力の1つだと思います。

そして、今の農業企画課になります。配属されてしばらく経つので、だいぶ慣れてきましたが、やはり最初のころは戸惑いや不安もありました。農業については、本当に初心者で知識が全くなかったので。その中で、直接農家の方に生産現場での苦労話や農産物に込めた想いを聞いたり、農業に関する研修やセミナー等にも参加するなどして、新しい情報を集めたり、知識を深めるようにしてきました。

農家さんの輪の中に入って行って現場で学んだりする中で、気持ちにも変化が出てきました。最初は物怖じした自分も、農家さんと同じ目線にたって仕事をしたいという思いが強くなり、積極的にコミュニケーションをとるよう心がけるようになりました。勉強の甲斐もあってか、少しずつ自信もついてきたんですかね。今は、もっともっと農業の現場を知りたいと感じていますし、宇都宮の農業の魅力や農産物の美味しさを発信していきたいと思っています。

最近印象深かった仕事は、石川県に視察に行ってきたことです。宇都宮の農業を盛り上げたいと思っていたところに、視察に行ける機会ができました。行き先も自分で希望を出せたので、各地の事例を調べていく中で、石川県が建設企業と連携して建設機械を農業の生産性向上に活かそうという先進的な取組を行っていることが分かったので、視察先として提案し、認めてもらうことができ、企業の技術やノウハウを農業に活かす仕掛けや実際の成果を直接現地で学ぶことができました。このように、自分自身で視察のテーマを設定し、直接現地に行って学んだことを、市の事業にフィードバックさせる機会があることはありがたいですね。また、視察も含め、現場に出ることも多い仕事なので、農家さんだけでなく、他業種の方々との関わりの中で、とても楽しく働けています。

世界志向から地元志向へ

大学は国際学部で、行政学を専攻していました。高校生の頃、漠然とですが、世界の貧困問題や国際協力について興味があって、国際学部に入って、それらも含めて、様々なことを幅広く学びたいと思っていました。進学してからは、英語が好きだったこともあって、ニュージーランドに語学研修に行ったり、ESSという英会話サークルに所属したりしていました。ちなみに、当時は20〜30名程度の部員がいて、私はサークル長でした。他大学との交流事業を企画実行したり、スピーチコンテストに参加したことなど、とてもいい経験になったと思います。

国際学部に所属していた私ですが、就職を考え始めた時は、自分の身近な地域を見るようになっていました。地元で公務員をしていた父の影響です。

地元は小さな田舎町だったので、町民全員が顔見知りという環境でした。そんな中でも、父は、大勢の地元の人からよく声をかけられたり、困り事を相談されたり、とても頼りにされていたんです。そんな地元の人と父のやりとりを幼い頃からずっと見てきました。その姿に憧れ、「自分もそんな存在になりたい。」と公務員を目指すことに決めました。その頃取り掛かっていた卒業論文のテーマは「市町村合併」。大学生活で一番苦労しました。(笑)

当時騒がれていた「宇都宮市」と「高根沢町」の合併について、市役所や町役場、関係者の方にヒアリングをしながら1年くらいかけてまとめました。卒論とは関係ない仕事の苦労話もよく聞きましたが、不思議なことに嫌な感じはせず、むしろそれが、仕事の大変さは、やりがいや責任につながるものだと感じ、公務員に挑戦したいという気持ちが強くなったと思います。

ここまで公務員の話しかしていませんが、公務員試験と並行して一般企業への就職活動もしました。20〜30社くらい受けていたと思います。落ちた時には、自分を否定された感覚になって落ち込んだこともありました。ただ、公務員だけでなく、一般企業の仕事も知ることで、「本当に公務員になりたいのか」と自分に問うて、迷いを断ち切ろうと思ってのチャレンジだったので、くじけることなくやり続けることができたと思います。

悩みも焦りも、私を成長させてくれる

生きる上でのモットーは「今を楽しむ。今を大切にする。」です。その時自分が思っていることに素直に、自分のできることに一生懸命取り組むことが重要だと思っています。もちろんその中で思い通りにならないことも悩みにぶつかることは必ずあります。ただそれは、無駄なことではなく、自分の成長のために必要な機会だと思うようにしています。

私個人の今後としては、結婚するにしても、もし地元に帰ることになったとしても、どういう選択肢があるにしろ、仕事をするか何らかの形で社会との接点は必ず持っていたいと思っています。人とのつながりの中で成長してきた人間だと思うので、一緒に働く人や地域の人、そういったつながりを大切にしていきたいです。

大学生の皆さんも悩むことは大切にしてほしいです。悩みも焦りも必要なことです。悩んでいることを1つの答えに決断するのには、不安があると思います。ただ、覚悟が必要な時もあります。悩んだ時は、人生の先輩にアドバイスを仰ぐのがよいかもしれません。自分の思いを信じて、開き直ることも必要かもしれませんね。悩んで決めた答えだからこそ、前へ進めるのだと思います。たとえ失敗したとしても、その経験も今後の糧になりますから。だからこそ悩みも焦りも素直に受け入れて、今できることに全力で取り組むことが大切なんだと思います。今を楽しんでください。皆さんの挑戦を心から応援しています。

インタビュー・執筆
村上わかな|宇都宮大学教育学部学校教育教員養成課程

インタビューをしている間、終始前向きな方だと感じました。決断の仕方やモットーについてはとても素敵な考えで私自身取り入れたいと思うものでした。中でも、迷いを断ち切るために他のことも経験してみるという話が印象に残っています。私はやりたいことだけをやることが良いものだと思っていました。自分が好きなことだけできれば幸せだと。しかし自分がやりたいことが本当にやりたいことなのか分からなくなった時は、他のことにも挑戦してみることも必要なのではないかと考えを改めることができました。自分の信念を持つことは大切です。でも、それに縛られず人の意見も柔軟に取り入れることができたら今まで以上に自分の世界は広がるのではないだろうかと思いました。今回の素敵な出会い、またインタビューという貴重な経験ができたことに感謝しています。

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