保護猫カフェ「ラッキー」は“サード・プレイス”?! 保護猫カフェ「ラッキー」は“サード・プレイス”?!

宇大・峰キャンパスの南口を出て通りを隔て、『ラッキー』がある。ランチでおいしい家庭料理が食べられ、地元の多くのファンに支えられている。肉球や猫をモチーフにしたかわいいインテリアや食器もあり、猫派には文字通り垂涎だろう。私が宇都宮に単身で着任した今年4月にオープンしたご縁もあり、週1ペースでお店にお邪魔し、定食を楽しんで、その後、時間があれば2階の保護された猫とくつろいで癒されている。

保護した猫の新しい家族を見つけるために、月一度を目安に猫の里親会(譲渡会)が開催されている。地元紙の下野新聞(昨年12月20日付)によると、栃木県内の犬猫の殺処分数は、1989年に約1万6千頭だったが年々減少し、2014年は千頭と15分の1以下になっている。また県内の保護団体のサイトによると、月30頭ペースで犬猫が助けられているとのこと。こういう数字を見ると、例えば550円の定食ランチを食すると、自動的に50円が保護猫の運営活動資金に回るという『ラッキー』の仕組みは、日常の何気ない消費活動がなんらか殺処分減につながっていると考えると救いだ。

米国の社会学者レイ・オルデンバーグが、1989年に『The Great Good Place』で提唱した概念に、"サード・プレイス"がある。第一の場所(ファースト・プレイス)は「自宅」。第二が「職場」。そして二つの中間地点にある第三の場所を"サード・プレイス"と呼称し、都市生活者に出会いや良好な人間関係を提供する特別な場であるという概念だ。スターバックス・コーヒーがこのコンセプトを採用しているのは周知の通り。その特徴として、「無料または廉価」「飲食可能」「良好なアクセス(徒歩圏内)」「常連あり」「快適で居心地よし」「新旧友人との出会い」等があげられる。

"サード・プレイス"はコミュニティライフの要であり、創造的交流が生まれる場であるが、『ラッキー』は、この"サード・プレイス"そのものであり、現在の社会的ニーズに応えている。

*保護猫カフェ『ラッキー』【水・金】11〜14時 【日】11〜17時(ランチ・カフェ)
文|COC+推進室 特任准教授 砂田薫/キャリア教育 イラスト|教育学部美術教育 小林瑞歩
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