自転車から宇都宮の街をみる 自転車から宇都宮の街をみる

栃木に暮らしはじめ宇都宮に通勤するのも10年以上経つが、数年前から健康上の理由で宇都宮駅からの自転車通勤に代えた。全国の中でも多い雷や、時折降る雪やヒョウにはさすがに負けるが、雨にも負けず通勤している。怪我の功名とでもいえるだろうか、四季を身近に感じるだけでなく、視点が変わり、これまで見えなった風景もみえるようになった。

東武宇都宮駅から自転車に乗り宇都宮市総合福祉センター前を通りすぎ、サザンカ並木を通り過ぎると、交差点で大きなトチノキに出会う。夏の暑い日には、このトチノキの木陰で一息つく。ちなみにトチノキは栃木の県木であり、実のアクを抜いてつくったトチモチも美味しい。

釜川沿いの「釜川プロムナード」は石畳になっているが、1970年代に洪水対策として二層構造となり、さまざまな工夫がありサイクリングするのも楽しい。クリスマスの時期には「新橋の滝」の水力を活用した青いイルミネーションが光る。「ロマンチックドーム」は、大谷石の柱をベースにしたバラのアーチがあり、手づくり郷土賞もとっている。桜の季節には、川の上に床がつくられ桜見ができる場が設けられる。二荒山神社へと続く赤いアーチの御橋では、若山牧水が大正9年に歌を詠んだという。「とんがり帽子館」と名づけられたスイス風の東屋の上には時計があり、中には地域コミュニティにおける工夫を称える賞状も並んでいる。

春には田川沿いの桜がよくみえる押切橋の手前の交差点には、旧町名「押切町」の歴史の説明がある。この橋は水戸や真岡に行くためにも主要な橋であり人の往来が多かったが、田川の氾濫の影響を受ける場所であるため、「押切町」と呼ばれるようになった。「宇都宮の軌跡」の説明は宇都宮市内の名所にあり、その地の歴史を知ることができる。

クチナシの花が春に香るさざなみ公園からも入れるスカイブリッジ遊歩道には、ハナミズキ並木の他、ケヤキやカシなどの木も並び、アジサイ、アフリカン・リリィ、コスモスなどが季節ごとに咲くだけでなく、シャクヤクなどを植えた民家の庭も垣間見える。ルートを選ぶと、勤務時間前後の自転車通勤も、リフレッシュできるひとときとなる。宇都宮市では「宇都宮自転車マップ」を発行しているが、自転車で宇都宮をもっと楽しんでみませんか。

文|国際学部 准教授 阪本公美子
イラスト|教育学部美術教育 小林瑞歩
  • 経験はすべて成長につなげる! 国際学部から市職員へ 坪井知子さん