栃木の祭り一考察〜赤丸付き人気上昇期待を込めて〜 栃木の祭り一考察〜赤丸付き人気上昇期待を込めて〜

最近、私が参戦している体感を交えて、栃木の祭りの明日への期待を書いてみます。

足利市「節分 鎧年越し」

ここ足利では、鎌倉時代中期に足利氏が坂東武者5百騎を鍐阿寺(ばんなじ)南大門へ勢揃いさせた故事が残っています。大正4年、当時隆盛を誇った足利町(現・足利市)の繊維業者たちは、自分たちを、十字軍で活躍したドイツ騎士団に見立て、その財力と心意気で、足利の節分=旧暦大晦日の夜を彩る祭りに再現させました。それから百年余り、毎年節分の夜、3百騎ほどの鎧武者が足利中心部を練り歩き、ゴールの鑁阿寺本堂に結集し、邪気払いの豆を撒き、鬨(とき)の声を上げる勇壮な行事として続いています。

私は、足軽頭、僧兵、侍大将と、年々ランクアップ参加(参加料もup)してますが、勇壮な練り歩き姿とは裏腹に、ヒートテックの上に鎧帷子(よろいかたびら)だけでは、歯もガチガチの武者震い?! 終了後は、昨年から同時期開催の「足利ほろ酔いウォーク」に繰り出し、路地裏スナックや居酒屋で@千円メニューのはしご酒も楽しい行事です!

「新入生セミナー」でCOC+とちぎ仕事学部門が担当する「とちぎを知るセミナー」では、このようなスライドも紹介しました。

「新入生セミナー」でCOC+とちぎ仕事学部門が担当する「とちぎを知るセミナー」では、このようなスライドも紹介しました。

鹿沼市「鹿沼秋まつり」

本県では、烏山の「山あげ祭り」と並び、昨冬ユネスコ無形文化遺産の「山・鉾(ほこ)・屋台行事」に登録された、古くは江戸期制作の豪壮・緻密な彫刻屋台祭事です。昨年から、最大7基の屋台が街中交差点を囲み、笛太鼓のお囃子を競い合う「ぶっつけ」で、お客を真ん中に入れて揉むようにしたため、観客の臨場・一体感が俄然アップしました。余談ですが、昨年、準備期からボランティア参加して、若衆達と祭りを支える特別な体験をした東京出身の筑波大生が、“魔境?”鹿沼に魅入られ、卒後、鹿沼に就職し、住んでしまいました。

人は、人と会い、人を知り、人を思う生き物です。そして、地域を彩る伝統の祭りには、ヨソモノ、ワカモノ、熱きモノたちを呼び込み、地域に化学変化を起こさせるパワーがあります。

また、祭事は観光産業への親和性が高く(特に海外からの訪日観光=インバウンド観光)、日本列島と言う、地球上で極めて稀な、地形・気象・自然変化の百貨店の中で、長い歴史の時間軸で育まれてきた、世界中の人々が五感・六感で共有・共感できる(SNS的フォトジェニックな?)日本的地域体験は、地域を代表する輸出産業(外貨獲得するサービス産業)に成長する可能性十分です。(国は、インバウンド観光消費を、自動車海外輸出額を超える、年間15兆円の外貨獲得産業に育てる目標を掲げており、中でもインバウンド観光の地方展開を、目標達成の重要な柱に位置付けています。)

欧米人の旅行は、昔からコト消費でしたが、近年、我々日本人も、やっとモノ消費からコト消費への消費行動シフトが進み始めました。さらに、近年急激な伸びを示すアジア圏からの観光客の皆さんの、日本での消費行動シフトは、より顕著に進んでいます。

県内各地の祭りでも、特別な体験消費やストーリー消費の作り込みにより、こうした世界的旅行行動シフト・トレンドの果実を採り、地域の活性化につなげることが可能な時代が来ました。足利と鹿沼の祭りは、これまで祭りを守り続けてきた皆さんと、祭りの今を支える若衆や商店の皆さんたちが、地域の中で話し合いを重ね、伝統ある祭りの中に、特別な体験を創り込み、みんなの笑顔・幸せ感づくりや地域経済の活力づくりに繋げている好事例です。

また、今年復活した、痔疾快癒(じしつかいゆ)祈願で石に尻を擦り付ける茂木の奇祭「けつぴたし」神事は、万人に普遍的な健康祈願であり、参加者たちが九尾狐(きゅうびのきつね)のメイクで練り歩く那須の「御神火祭り」は、世界各地に存在するキツネ伝説をモチーフにした祭りであり、県内でも、こうした海外観光客を引き付ける要素に優れた祭りは、まだまだ発掘育成可能と期待しています。県内各地の祭りに新たな息吹を吹き込む取り組みを、みんなで楽しく、参加し、応援して参りましょう。

最後に私事お願いです。
宮っ子の私は、毎年「ふるさと宮祭り」で神輿を担いでいますが、担ぎ手減少と、我が寄る年波で、我が双肩への負荷パンパン。来夏も応援担ぎ手募集します。学生諸君も担がにゃ損々!?

文|COC+推進室 特任教授/プロジェクトコーディネーター 西須紀昭
イラスト|教育学部美術教育 和良品美桜
  • 農業のサポート側に回って、学び気づいたこと