東京−栃木は遠距離恋愛? 東京−栃木は遠距離恋愛?

三年ほど前、都内某所での打ち合わせの席でのこと。「どちらにお住まいなんですか?」 私「益子です。栃木の」「ああ、つくばエクスプレスがあるから意外と近いですよね」私「え。それは、茨城ですね。JRの湘南新宿ラインを使っています。新宿まで100分くらいで来れますよ」「ああ、高崎から出ていますね!」「え。それは、群馬の路線ですね」...というように、都内では、栃木との距離感や北関東3県の位置関係や差別化!の話だけで会話が弾む一方で、心の中の栃木県民魂はしぼんでいくという状況に陥ることが多々ありますが、それにめげずに、栃木と東京の距離感を、通勤で行き来している人数のデータ(*1)から見てみましょう。

①昼間人口:県内で働いている15歳以上の就業者962,845人中、東京都内から通勤しているのは2,339人(0.24%)。
②夜間人口:県内に居住している15歳以上の就業者977,126人中、都内へ通勤しているのは13,539人(1.39%)。

この割合を多いとみるか少ないとみるか...、東京と栃木の距離感をさまざまな視点から検証してみると栃木の個性が(没個性の可能性もありますが)見えてくるかもしれません。産業の立地・発達という視点の一例を挙げると、私が住む益子町は江戸末期に焼き物の技術が現・茨城県笠間市から伝わり、江戸という大消費地に近い地の利を生かして甕(かめ)などの生活雑器を中心に窯業の地としての歩みをスタートさせています。人の交流という視点からみると...。たとえば、みなさんは、片道どのくらいの移動時間が必要な距離を遠距離恋愛と呼びますか? 都内から益子に移り住み作陶している陶芸家の友人は、日帰りでも行き来がしやすい首都圏との距離を、販売店やギャラリーの人や陶芸ファンの人たちと交流を続ける上での「ほどよい幸福な距離感」だと言います。これからさまざまな視点で、大学生活をおくる「とちぎ」にアプローチして、自分の言葉で「とちぎ」を発見していきましょう。

*1 )H22年度国勢調査「従業地・通学地による人口・産業等集計」より
文|COC+推進室 特任准教授 簑田理香  イラスト|教育学部総合人間形成課程 田宮知羽
  • 母から女性たち、そして学生へ〜「誰かのため」が原動力に〜
  • 保護猫カフェ「ラッキー」は “サード・プレイス”?!